TPPとかEPAとか輸出とか

 TPPとかEPAとかが、政治的な話しはおいときまして、本格的に導入されたら(EPAはもうされていますが)貿易の現場はどうなるんでしょう?

 日本の製品(特に農産物)がもっと輸出できる(売れる)ようになるとよく言われます。輸入国の関税がなくなると確かにその分だけ安くなるわけですが、よく考えると関税が無くなるのは輸入国の都合なので(つまり売り手の創意工夫があるわけではない)それだけで売れるというのは・・・。日本製の商品は分野に関わらず値段が高いですから。

 

 実務的には日本からEPA(TPPもそうなるでしょう)を利用して輸出する時は絶対に原産地証明書が必要になります。EPA(やTPP)専用のものです。そらぁそうですよね。免税にするのですから半分日本製・半分中国製みたいな商品は対象外にして当然です。ちなみに原産地証明がなかったら通常の輸入関税が課せられます。

 

東京商工会議所の中にあります
東京商工会議所の中にあります

 この特別な原産地証明を取得できるようになる道のりがちょっと面倒です。発給するのは日本商工会議所です(TPPでも限定されるでしょう)。

その道のりをごく簡単に言いますと下記のような流れになります。詳細は日本商工会議所のサイトにてご確認ください(ただし見やすいサイトとはちょっと…)

 

めんどくせぇ!
めんどくせぇ!

・EPAを利用する企業としての(一種の会員)登録申請

・申請企業の審査

・審査が通ると(会員)登録

・そして輸出の案件ごとに原産地証明書の発給申請  

  申請の時にはたくさんの書類を書き、登記簿謄本など多くの書類の提出を求められます。ここで問題なことのひとつは謄本の提出は輸出者一社ではすまないということです。

  うちの場合ですが、うちは服地の輸出をしているブローカーです。売ってる商品はみな日本のメーカーさんから仕入れたものです。そのうちがEPAの利用するにはうちだけではなく、その商品の仕入れ先さん・メーカーさんについても登記簿謄本の提出も必要です。      

登記簿謄本が要る!
登記簿謄本が要る!

これが例えばアパレルさんの場合だと自社、素材の提供会社(生地、ボタンなど)、縫製工場など関わっている全ての取引先に登記簿謄本などの提供をお願いしなければなりません。

 
大企業はいけるでしょう
大企業はいけるでしょう

  小さな会社が仕入先の生地メーカーさん(うちよりずっと大きい)に「謄本ください」とお願いしても継続的で儲かる話しでないかぎり簡単に「うん」とはいいません(当然ですわね)。そんなんでうちはTPPがはじまっても利用できない公算が高いです。 

 

 要はEPAやTPPを利用して新たに輸出をするならそれ相応の手続きをこなさなければならないということです。また関税免税でも輸入国には輸入品の安全検査などがあります。特に食品はどこでも厳重です。そういったものにかかるコストの方がより大きい問題かもしれません。

 

輸入車なんで高い?
輸入車なんで高い?

  逆に、別にEPAとかTPPを利用をしなくても、という選択肢もあるかもしれません。あまり関税率が高くない商品では十分にありえるでしょう。例えば(よく出てきますが)アメリカの自動車の輸入関税は2.5%で、その程度は為替の動向でどうでもよくなってしまうといわれます。ちなみに日本の自動車の輸入関税はゼロ%です。  ・・・じゃぁ何で輸入車はあんなに高いんでしょう?